
じっちゃまのいう「ベロシティ」ってなあに?という方のために解説します
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じっちゃまのいう貨幣の流通速度(Velocity、ベロシティ)とは?
貨幣の流通速度(Velocity、ベロシティ)とは「ある一定期間に貨幣が取引された回数の平均」のことです。
たとえばある国には、ネコ一匹とヒヨコ一羽しか住んでいないとします。その国の財は価格5ドルのイチゴひとつだけで、国全体のお金の量も5ドルだけです。
ある1ヶ月の間にネコは一度だけ5ドルでイチゴを買いました。この時にお金の財布から財布への移動回数は1です。

またヒヨコが5ドルでネコからイチゴを買い戻したとします。そうするとお金の財布から財布への移動は2回になります。

ではどのように貨幣の流通速度を求めるかというと、
貨幣の流通速度=名目GDP÷貨幣の流通量
で計算しています。1回目のヒヨコとネコとイチゴの売買の例でいうと、名目GDPは一般物価水準×取引量で求められるのでイチゴ5ドル×1=5ドル、貨幣量は5ドルのみなので流通速度は
(5ドル×1)÷5ドル=1
となります。ヒヨコとネコの間でイチゴの売買が2回行われたとすると
(5ドル×2)÷5ドル=2
となります。貨幣の流通速度というと難しく聞こえますがかんたんですね。
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実際の貨幣の流通速度(Velocity)のデータをみてみよう
貨幣の流通速度はアメリカの中央銀行であるFredのウェブサイトで誰でも確認できます。→https://fred.stlouisfed.org/series/M2V

より詳しく知りたい人は自分でデータをダウンロードしてエクセルでグラフを作ることもできます。貨幣の流通速度の求め方をもう一度確かめてみましょう。
貨幣の流通速度=名目GDP÷貨幣の流通量
ですので、Fredの名目GDPデータと通貨量(M2)のデータを割算すればM2の流通速度と同じになります。

M2のデータが1981年からしか利用できなかったので、途中からですがM2の流通速度と全く同じカタチをしているのがわかります。
自分でグラフを作ると5、6分かかりますが、名目GDPの数値が大きいのか、マネーサプライの量が多いのか実際に数値で確認することができます。

じっちゃまのマネパセミナーでは、コロナのための援助金で貨幣の供給量は増えたが、貯蓄に回ってしまってるので貨幣の流通速度が落ちているという話だったね
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より貨幣の流通速度について知りたい方に「フィッシャーの交換方程式」
貨幣の流通速度は以下のアーヴィング・フィッシャーの交換方程式を変形させたものです。
MV=PT
M:一定期間における貨幣の流通量
T:経済全体の実質取引量
P:一般物価水準
V:貨幣の流通速度
この方程式は、もし流通速度が一定とするならば、経済全体の実質取引量と貨幣の流通量が独立に決定されると、貨幣の流通量と物価水準は同一の割合で変化することが表されています。
つまり物価を上昇させたければ、貨幣量を増やせばいいということで、逆も然りです。これを貨幣数量説と呼びます。
しかし先ほど見たとおり、貨幣の流通速度は一定ではありませんでした。なので実際には物価とマネーサプライはもっと複雑な関係であります。

以上です!!
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