じっちゃまのいう「FRBは短期金利しか操作できない」とはどういうこと?

金利
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今日は短期金利とその操作方法、長期金利などについてまとめました。

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じっちゃま(広瀬隆雄さん)YouTube

いまはバブル相場の何合目?

※FRBが短期金利を操作して、長期金利刺激するお話はこちら2020年2月20日のYouTube動画開始後29分32秒あたりからはじまります。以下、内容を簡単にまとめておきます。




FRBが景気刺激をする際、使用できるツールは基本的にはひとつだけしかありません。そのツールはフェデラル・ファンズ・レート(FFレート)と呼ばれる政策金利です。




その政策金利を上げたり下げたりすることで景気を応援したり、冷やしたりということをします。このFFレートは短期金利です。金利も国債と同じように短期のものと長期のもの(長期金利)があります。




その短期金利から長期金利の水準をプロットしたものがイールドカーブと呼ばれるものです。日本では利回り曲線と言われています。




FRBがコントロールできるのは、全体的な金利体系のなかで短期金利のみです。それは凧あげと一緒です。




凧が落ちそうになったとき、凧あげしている人ができることは糸を引っ張ることだけです。つまり短期金利(自分の手元にある凧糸)で、長期金利(空高く上にあがっている凧)を操らなくてはいけないのです(その後FRBとストナンのお話になっていきます)。




次節では金融政策や短期金利が長期金利を刺激するメカニズムについて詳しく説明していきます。

金融緩和について

短期金利が長期金利を刺激するメカニズム

短期金利とは銀行同士が貸し借りをする際に用いられる金利のことです。何らかの理由で不景気に陥り、Fedが経済の刺激を試みるには短期金利を刺激します。



下の図1は政策金利とNBER(全米経済研究所)が発表している景気循環(ビジネスサイクル)です。色がついている部分が景気後退期です。





図を見ると、景気後退期に入ると短期金利がすぐ引き下げられている(金融緩和されている)ことがわかります。




景気後退期に入るとFedが短期金利を引き下げる理由は、短期金利と連動している長期金利を引き下げて消費と投資を増加させるためです。



なぜなら、長期金利は短期金利を長期間積み上げた平均から導かれるからです。つまり、10年ローンの金利は10年分の短期金利の平均になります。




たとえば、今後2年間は短期金利が1%、その後8年間は2%なら10年ローンの名目金利は、




となります。これが、Fedが直接できる短期金利を操作して、直接操作できない長期金利を下落させる仕組みです。




このように長期金利が低くなれば、家計はローンを組んで車や家を買ったり、企業は設備投資をしたりするので、財やサービスの需要が増すため、社会全体の雇用が増加します。




金融緩和はFedが掲げている二重の使命である「雇用水準の最大化」のために行っています。雇用水準の最大化については、以前こちらの記事でも詳しく書きました。





今までの金融緩和の流れをまとめると以下の図のようになります。



アセモグル,レイブソン,リスト『マクロ経済学』 東洋経済新報社 2019年 P471を参考に筆者作成



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金融緩和の方法



公開市場操作と量的緩和

ここからは、Fedがどのようにしてその政策金利(Federal Fund Rate) を引き下げているかについて解説していきます。



FedがFFレートを操作する際には、公開市場操作と呼ばれる民間銀行との取引によってFedの準備預金の量を増やしたり減らしたりします。



たとえば、Fedが民間銀行から国債等の資産を買い取ることで民間銀行が利用できる準備預金の量を増加させると、FFレートを引き下げることができます。




文字ではわかりづらいので図で表わすと、以下のように供給量が増えてFFレートを下げることが出来ます。




公開市場操作の他には、法定準備率を引き下げたり、民間銀行がFedに預けている預金の金利を引き下げたりすることでFFレートを引き下げることができます。




また、これらの他にFFレートが操作される際、よく聞かれるのは「量的緩和」という言葉かと思います。量的緩和とは国債を購入して準備預金を増やすことです。



公開市場操作で長期国債が購入されると、長期国債の価格は上昇するので、長期金利は低くなります。これは、国債が支払う利子÷国債の価格=金利という計算になるためです。




現在はコロナショックでFFレートは0~0.25%の水準ですが、景気がよくなればFedは引締め政策を行っていきます。引締め政策では、ここまで説明してきた金融緩和と逆のことをして政策金利を上げていきます。




参考文献:アセモグル,レイブソン,リスト『マクロ経済学』 東洋経済新報社 2019年

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